「鏡って左右は逆になるのに、なんで上下は逆にならないの?」
娘さんにこう聞かれたお父さんの投稿が、270万回も見られました。お父さんの答えは「鏡は前後を反転させてるんだよ」。娘さんの返事は「ちょっと何言ってるか分からない」。
……私もです。
でもこれ、お父さんの言ってることはちゃんと正しい!というわけで、できるだけかんたんに説明してみます。
先に答え
- 鏡は、左右を逆にしていない
- 上下も逆にしていない
- 逆にしているのは「前と後ろ」だけ
「いやいや、左右は逆でしょ」と思うけどそこがワナ
鏡の前で右手を上げてみる
鏡の前に立って、右手を上げます。鏡の中で手が上がるのは、どっち側ですか?
右側ですよね。自分の右手の、真正面。
右にあるものは右に映る。左にあるものは左に映る。頭は上、足は下。
……そう、冷静に考えれば別に逆になってないんです。
じゃあ、何が逆なの?
向きです。
あなたが鏡のほうを向いているとき、「鏡の中のあなた」ごこっちを向いているように見える。
あなたが前に進めば、鏡の中のあなたも近づいてくる。
鏡がやっているのは、これだけ。
なのに、なぜ「左右が逆」に見えるのか
犯人は、自分の頭です。
鏡の中の自分を見ると、わたしたちは無意識に「向かい合って立っている人」だと考えてしまう。
例えば、実在の他人が右手を上げたら、こっちから見て左側の手が上がります。
当然、向かい合っている実在の他人は自分とは逆方向を向いているからです。
でも鏡の中の自分は、実在してこっちを向いているわけではありません。
ただ、自分が右手を挙げたから、こっちから見て右の手が上がる。
「向かい合ってる人なら左が上がるはずなのに、右が上がってる。……逆じゃん!」
これが「鏡は左右が逆」の正体です。鏡が逆にしたんじゃなくて、頭の中で勝手に相手を振り向かせた結果、ズレて見えているだけでした。
ちなみに、上下が逆にならないのは、鏡がそもそも上下も左右も逆にしていないからです。逆に見えるのは、頭の中で相手を横に振り向かせた「左右」だけ、というわけです。
文字が逆に映るのも、同じ理由
紙に書いた字を鏡に映すと、鏡文字になります。これも鏡のせいじゃありません。
紙を鏡に向けるとき、紙をくるっと横に裏返しますよね。その時点で、自分の手で左右を逆にしています。
子どもに説明するなら
こんな感じはどうでしょう。
「鏡の前で右手を上げてごらん。鏡の中でも、右側の手が上がってるでしょ。ほら、逆になってないんだよ。逆になってるのは、向きだけ。きみは鏡を見てて、鏡の中のきみは、きみを見てる」
それでも「ちょっと何言ってるか分からない」と返されたら、もう富澤さんに任せましょう。
まとめ
- 鏡が逆にしているのは、前と後ろだけ
- 左右が逆に見えるのは、鏡の中の人を「振り向いた人」だと思ってしまうから
- 文字が逆に映るのは、紙を自分で裏返しているから
毎朝見ている鏡なのに、聞かれると説明できない。この話が何度もバズるのは、みんな同じところでつまずくからなんでしょうね。



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