「ムッシュムラムラ!」
声に出すと妙に気持ちいい、この謎の掛け声。ダチョウ倶楽部のギャグとして知っている人も多いと思いますが、実はもっと古い元ネタがあります。
元ネタは1960年代のアニメ吹き替え
ムッシュムラムラの元ネタは、1960年代後半に日本で放送された海外アニメの、日本語吹き替えです。
1969年8月に放送が始まった『宇宙忍者ゴームズ』。アメリカのアニメ『ファンタスティック・フォー』の日本語版で、岩でできた怪力の男「ガンロック」(原作ではザ・シング)が、戦う場面で気合いを入れるときにこう叫びます。
声を担当したのは、コメディアンの関敬六(せき けいろく)さん。もちろん、原作のアメリカ版にそんな台詞はありません。日本語版でだけ謎の掛け声で気合いを入れているわけです。
関さんは、海外アニメ『スーパースリー』の吹き替えでも主人公のひとり「コイル」を演じていて、こちらでも同じ掛け声を使っています。
言葉そのものに意味はなく、完全なるアドリブ。なぜこの言葉になったのかも、はっきりとは分かっていません。
アニメの掛け声から、関敬六さんの代名詞に
この掛け声は放送当時、子どもたちの間で流行しました。そしてアニメを飛び出し、関敬六さん本人の持ちギャグとして知られるようになっていきます。
勘違いされがちですが、実は「中の人のギャグをアニメに持ち込んだ」のではなく、「アニメの吹き替えで生まれた掛け声が、演じた人の代名詞になった」という流れが正しいです。
ちなみに同じ『宇宙忍者ゴームズ』では、悪役が名古屋弁でしゃべります(なぜ…?)。くわしくはこちらの記事でどうぞ。
叫んでいたガンロックって何者?
ガンロックは、『宇宙忍者ゴームズ』の主人公チームのひとり。原作での名前は「ザ・シング」、本名はベン・グリムです。
全身がゴツゴツした岩のようになった怪力の持ち主で、チームでは力仕事担当。見た目はいかついのに、短気で人情味があって、どこか憎めない。原作でも屈指の愛されキャラです。
その岩男に、日本語版は「ガンロック」という名前と、「ムッシュムラムラ」という掛け声を与えました。岩の巨体が、意味不明な一言とともに敵をぶっ飛ばす。この組み合わせが強烈で、放送から半世紀以上たったいまも、ザ・シングを見ると「ガンロックだ」「ムッシュムラムラだ」と反応する人が後を絶ちません。
こちらがアニメ版の4人。いちばん右の岩男がガンロックです。
何が面白いの?意味ゼロなのに勢いだけはある
- 語感が強すぎる:「ムッシュ」で始まって「ムラムラ」で終わる。上品なのか下品なのかよく分からない
- 使いどころを選ばない:意味がないので、うれしいときも、気合いを入れるときも、とりあえず叫べる
- 出どころの落差:アメコミのヒーローが、日本のお笑いのノリで叫んでいる
結局、よくわからない。それに尽きる。
なぜ今も知られている?ダチョウ倶楽部が受け継いだから
平成に入ると、この掛け声はダチョウ倶楽部のギャグとして復活しました。いま「ムッシュムラムラ」と聞いてダチョウ倶楽部を思い浮かべる人が多いのは、このためです。ダチョウ俱楽部が元ネタだと思っていた人も多いのでは?
関敬六さんは2006年に78歳で亡くなりましたが、掛け声は世代を越えて残りました。1960年代のアニメで生まれた一言が、半世紀以上たったいまもネットで使われている。ミームの大先輩と言っていいかもしれません。
まとめ
- ムッシュムラムラの元ネタは、1960年代後半の海外アニメの日本語吹き替え。『宇宙忍者ゴームズ』のガンロックの掛け声として有名
- 演じた関敬六さんの持ちギャグとして知られるようになった。特に意味はない
- 平成に入り、ダチョウ倶楽部のギャグとして復活した
出典
最終更新日:2026年10月10日



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