時計に「1秒」を足す、あの「うるう秒」が、なくなることになりました。
フランスのベルサイユで開かれていた国際度量衡総会(CGPM)で10月15日、うるう秒を実質的に廃止することが決まりました。新しいルールは2027年5月20日から始まります。ニュースでは「うるう時(うるう時間)の導入」とも伝えられ、Yahoo!ニュースのトピックスにも入っています。何が決まって、私たちの生活に関係があるのかを整理しました。この記事は2026年10月16日時点の情報です。
ざっくり言うと
- 時計(協定世界時=UTC)と地球の自転とのずれを、これまでは1秒ずつ「うるう秒」で直していた。
- このやり方をやめ、ずれを最大1時間まで認めることに決まった。2027年5月20日から。
- ずれが1時間になるのは、数百年以上先と見られている。それまでは時計を調整しなくてよい。
- この「1時間まで認める」しくみが、日本の報道で「うるう時」と呼ばれている。
そもそも「うるう秒」とは?
私たちが使っている時刻は、とても正確な原子時計をもとに決められています。いっぽうで、地球の自転はわずかに速くなったり遅くなったりします。そのため、時計と地球の回転とのあいだに、少しずつずれが生まれます。
このずれを0.9秒以内に保つために、必要なときだけ6月末か12月末に「1秒」を入れてきたのが、うるう秒です。1972年に始まり、これまで27回、すべて1秒を足す形で行われました。最後は日本時間の2017年1月1日、午前8時59分59秒のあとに「8時59分60秒」が入りました。
なぜ廃止するの?
1. コンピューターのトラブルのもとだったから。「60秒」という、ふだんはありえない時刻が入るため、うるう秒のたびにシステムの不具合が起きてきました。2012年には、Linuxのバグが原因とされる障害で、海外の航空会社の予約システムが止まり、大手サイトにも影響が出ました。2017年にも、ネットの大手企業のサービスで一部の処理が失敗しています。通信、金融、交通、電力など、正確な時刻に頼るしくみが増えるほど、1秒の調整は負担になっていました。
2. 地球の自転が速くなってきたから。2020年ごろから自転が速まっていて、これまで一度もなかった「1秒を引く」うるう秒が必要になるかもしれない、と言われていました。引く方向の調整は試されたことがなく、何が起きるかわからない心配もありました。
「うるう時」ってどういうこと?
今回の決定では、時計と地球の自転とのずれを長いあいだで1時間まで認めることになりました。1秒ずつ直すのをやめて、ずれをためておく、というイメージです。
ずれが1時間にたまるまでには、数百年以上かかると見られています。報道では、そのときに1時間単位で調整することを「うるう時」と呼んでいますが、国際度量衡局(BIPM)が公表した声明では、1時間たまったときに具体的にどう調整するかまでは書かれていません。実際の調整はずっと先の話なので、細かいやり方は将来決めることになりそうです。
いつから?今までの流れ
- 2022年:国際度量衡総会が、2035年までにうるう秒の運用をやめる方針を決める。
- 2026年10月15日:ずれを1時間まで認める新しいルールを採択。
- 2027年5月20日:新しいルールがスタート。予定より早まった。
同じ総会では、「1秒」の長さの決め方そのものを見直す準備も決まりました。2030年の総会で新しい定義を採択することを目指していて、候補には日本の研究者が考案した「光格子時計」などの、さらに正確な時計が挙がっています。
私たちの生活は変わる?
ふだんの生活で、気づくような変化はほとんどないと考えてよさそうです。スマホやパソコンの時計は、これまでどおり自動で合わせられます。むしろ、システム障害のもとが一つ減るので、通信やネットのサービスが安定する、と説明されています。
ちなみに、4年に1度の「うるう年」(2月29日)は、地球が太陽のまわりを回る周期に合わせるためのもので、今回の話とは別です。うるう年はこれからもあります。
ネットの反応
- システムを担当する人たちからは、うるう秒のたびの対応がなくなって助かる、と歓迎する声。
- 地球の自転が速くなっていることに驚く声。
- 1時間ずれるまで放っておいて大丈夫なのか、先送りではないか、という声も。
- うるう年はなくならないのか、という素朴な疑問。
まとめ
- 国際度量衡総会が10月15日、うるう秒の実質的な廃止を決めた。2027年5月20日から。
- 時計と地球の自転のずれを1時間まで認める。報道ではこれを「うるう時」と呼んでいる。
- ずれが1時間になるのは数百年以上先。ふだんの生活への影響はほぼなく、うるう年はこれからもある。



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