「あけろ!あけろよ〜!」
役所から届いた封筒に、こんな言葉が書かれていたら。東京都文京区が国民健康保険料の督促状に使っている封筒のデザインが「不気味」「不安になる」と物議を醸しています。区は効果があったと説明しつつ、「配慮が足りなかった」と反省も口にしました。何が起きたのかを整理します。この記事は2026年10月15日時点の情報です。
ひとことで言うと
- 文京区の国民健康保険料の督促状の封筒に、「あけろ!あけろよ〜!」「やばいやばいやばい」などの言葉や顔文字、たくさんの「目」の絵が描かれていた。
- 受け取った住民が「不快だし、不安をあおられる」と東京新聞に調査を依頼し、10月14日に記事に。15日にはテレビ朝日も報じ、Yahoo!ニュースのトピックスに入った。
- 区の狙いは「見落とされて延滞金や差し押さえにならないよう、まず開けてもらう」こと。目立つ封筒にしてから収納率は約88%から約96%に上がった一方、高齢者などへの配慮が足りなかったと認めた。
どんな封筒?
報道によると、封筒には次のような言葉が書き込まれていました。
- 「アケロー、アケロー、アケロー」
- 「あけろ!あけろよ〜!」
- 「アクベシ!アクベシ!」
- 「やばいやばいやばい」
余白には「開封」「あけろ!」といった言葉と顔文字が並び、テレビ朝日は封筒一面に15個の「目」の絵があったと伝えています。区によると、動画配信でコメントが画面に流れる様子や、アニメの表現を参考にしたそうです。
ネットに慣れた人なら「あのノリだ」とわかる一方、そうでない人にはかなり異様に見えるデザインです。
何が問題になった?
きっかけは、封筒を受け取った40代の自営業の男性が「不快だし、不安をあおられる。なぜこんな封筒になったのか調べてほしい」と東京新聞に依頼したことでした。東京新聞が10月14日に記事にし、15日にはテレビ朝日の「グッド!モーニング」も取り上げました。
テレビ朝日の取材では、50代の男性が「イタズラかな」「かえって怪しすぎ」「『重要』の一文字で十分」と話しています。区にも「不謹慎」「不気味」という声が多く寄せられたといいます。
文京区の説明
- 目的。督促状を見落として、延滞金が加算されたり財産を差し押さえられたりする前に、まず封筒を開けて払い忘れに気づいてもらうため。若い世代の納付率を上げることも課題だった。
- いつから。2019年度から目立つデザインの封筒を使っていて、デザインは毎回変えている。
- 効果。保険料の収納率は、導入前の約88%から昨年度は約96%に上がった。区は「一定の効果」があったとしている(ただし、2024年の取材では「デザインだけの効果を特定するのは難しい」とも説明していた)。
- 反省。高齢者などへの配慮が足りなかったとして、今後は受け取る人への配慮を十分にするとしている。
実は前にも話題になっていた
文京区の「目立つ封筒」は、今回が初めての話題ではありません。
- 2015〜2017年(税務課)。赤い封筒は「赤紙みたい」、黒地に銀の文字は「葬儀を連想する」と言われ、デザインを変え続けた末に、3色刷りの波線の封筒がネットで話題になった。
- 2024年9月(国保年金課)。紫・黄・緑に黒地で「至急開封」、裏は赤地に「EMERGENCY」の封筒が「エヴァっぽい」とXで話題に。区はエヴァを意識したことは否定し、若手職員のデザインだと説明した。
「開けてもらうためにどうするか」を試し続けてきた区が、今回は少し踏み込みすぎた、という流れにも見えます。
賛否は?
ネット上では、意見がはっきり分かれています。
- 容認する声。開けてもらえなければ延滞金や差し押さえを避けられない。予算の中での工夫としてはあり。
- 批判する声。偽物や詐欺に見えて、かえって捨てられそう。脅すような表現は逆効果。払えない人向けの相談・減免の案内こそ目立たせるべき。
テレビ朝日の取材に応じた弁護士は「直ちに法律違反や問題があるとは言えない」「開封を促す工夫として考えた末では」と話しています。
なお、国民健康保険料を払うのが難しいときは、多くの自治体で減免や分割納付の相談ができます。督促状が届いたら、まず開けて、困ったら区役所や市役所の窓口に相談するのがいちばんの近道です。
まとめ
- 文京区の国保の督促状の封筒に「あけろ!あけろよ〜!」などの言葉や目の絵が描かれ、「不気味」「不安をあおる」と物議に。
- 区の狙いは見落としによる延滞金や差し押さえを防ぐこと。収納率は約88%から約96%に上がったと説明。
- 一方で高齢者などへの配慮が足りなかったと認め、今後は配慮すると説明している。



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