ストーカーの加害者に、GPSを付ける。
警察庁が10月15日、ストーカー加害者へのGPS機器の装着や、治療・カウンセリングの受診の義務化について話し合う有識者検討会を立ち上げると発表しました。Yahoo!ニュースのトピックスにも入り、Xで賛成の声と「どこまでやるのか」という声の両方が出ています。何が決まっていて、何がまだ決まっていないのかを整理しました。この記事は2026年10月15日時点の情報です。
ひとことで言うと
- 警察庁が、ストーカー加害者へのGPS装着と、治療・カウンセリングの受診の義務化を検討する有識者検討会をつくる。初会合は10月19日。
- GPSは、加害者が被害者に近づくと被害者に知らせる仕組みが想定されている。
- まだ「検討」の段階。誰に付けるのか、どう付けるのか、いつから始まるのかは決まっていない。
何が発表された?
共同通信などの報道によると、警察庁は15日、有識者による検討会を設置すると明らかにしました。メンバーは精神医学の専門家、法学者、弁護士、ストーカー事件の被害者の遺族です。初会合は10月19日に東京都内で開かれます。
話し合うのは、主に次の点です。
- GPS機器の装着。加害者が被害者に近づいたら、被害者に通知が届く仕組み。
- 治療・カウンセリングの受診の義務化。今は勧めても受ける人が少ないため。
- 対象者と付け方。どんな加害者に、どんな機器を付けるのか。
- 人権への配慮。加害者とはいえ常に居場所を把握することへの懸念をどう和らげるか。
ストーカー規制法の改正も視野に入れ、できるだけ早く報告書をまとめる方針だと報じられています。
まだ決まっていないこと
見出しだけ読むと「もう決まった」ように見えますが、今回はあくまで検討のスタートです。
- 対象者。7月の報道では「禁止命令を受けた加害者」が想定されていて、危険度の高いケースに絞るかどうかはこれから議論するとされていました。
- 機器の形。報道では「GPS機器を装着」という表現で、足首に付けるのかどうかなど、具体的な形は伝えられていません。
- 始まる時期。法改正の時期や、国会に法案を出す時期は示されていません。
ここまでの流れ(時系列)
- 2000年 ストーカー規制法ができる。
- 2021年 相手の車などにGPS機器をこっそり付けて居場所を知る行為も規制の対象に(このときは「加害者がGPSを悪用する」ことへの規制)。
- 2025年12月 法改正が成立。紛失防止タグ(AirTagなど)の無断取り付けを規制し、被害者の申し出がなくても警察が警告を出せるようにした。
- 2026年3月 東京・池袋で、禁止命令を受けていた元交際相手の男が女性を刺して死亡させる事件が起きる。禁止命令が出ていても事件を防げなかったことが、議論のきっかけの一つとなった。
- 2026年5月 自民党の調査会が、禁止命令を受けた加害者にGPSを付け、接近したら知らせる仕組みを提言。
- 2026年7月28日 政府の犯罪対策閣僚会議が緊急対策を決定。首相がGPS装着と受診の義務化を「検討すべき新たな施策」として挙げる。
- 2026年10月15日 警察庁が有識者検討会の設置を発表。10月19日に初会合。
2021年の改正は「加害者がGPSを使って被害者を追う」ことを取り締まるものでした。今回はその逆で、「加害者にGPSを付けて、被害者を守る」ための検討です。
ストーカー被害はどれくらい?
警察庁のまとめでは、2025年の状況は次のとおりと報じられています。
- 相談件数:2万2881件(前の年より3314件多い)
- 摘発件数:3717件(過去最多)
- 禁止命令:3037件(過去最多)
- 禁止命令に違反して摘発されたケース:244件
禁止命令は過去最多のペースで出ている一方で、命令に従わない加害者もいる。ここが今回の検討の出発点です。
日本や海外にある似た仕組み
- 日本の保釈中の被告へのGPS。2023年の法改正で、海外逃亡を防ぐために保釈中の被告にGPS端末を付けさせる制度ができた。ただし施行は「公布から5年以内」とされ、運用開始はまだ。
- 韓国。裁判所の命令で、ストーカー加害者に電子足輪を付ける制度がある。2026年6月には、加害者の位置と移動方向を被害者がスマホで確認できるアプリも始まった。
- ドイツ。一部の州で、加害者の接近を知らせる仕組みがあり、警察庁が参考にする例として報じられている。
Xの反応
Xでは、反応が大きく分かれています。
- 被害者を守るためにやってほしい、という賛成の声。
- ほかの性犯罪などにも広げるべきだ、という声。
- 人権との兼ね合いや、誰に付けるのかの線引きを気にする声。
どこまでやるのかは、まさにこれから検討会で話し合われるところです。
まとめ
- 警察庁が、ストーカー加害者へのGPS装着と、治療・カウンセリングの受診の義務化を検討する有識者検討会をつくった。初会合は10月19日。
- GPSは、加害者が被害者に近づくと知らせる仕組みを想定。対象者、機器の形、始まる時期はまだ決まっていない。
- 禁止命令が出ていても防げなかった事件が続いたことが背景にある。法改正も視野に、報告書をまとめる方針。



コメント