緊急地震速報の誤報の原因は?10月16日M9.9・震度7と過大推定→遠くの観測点を外す機能が働かず

10月16日の緊急地震速報は「誤報」。M9.9と過大に推定、震度7予想で取り消し。何が起きたのかまとめ バズニュース

【10月17日追記】原因がわかってきました。気象庁は10月16日夜(22時40分ごろ)の3回目の説明で、震源から700km以上離れた観測点のデータをM(マグニチュード)の計算から外す機能が、今回は正しく動かなかったと明らかにしました。この機能は2020年7月の誤報(鳥島近海の地震)を受けて入れたもの。21時30分ごろに応急の対策プログラムを入れ、同じような地震で過大な警報が出ないことを確かめたとしています(→原因は?)。

【10月16日夜追記】「NTTドコモのスマホだけ緊急地震速報が鳴らなかった」という声がXで広がり、ドコモは同日、自社のシステムの不具合で配信されなかったと発表しました(→くわしくはこちら)。また、鳴ったときに猫をキャリーに入れたのに誤報だった、という投稿など、今回の速報をめぐる体験談も多く共有されています。

お昼どき、スマホがいっせいに鳴りました。「緊急地震速報」。でも、揺れは来ませんでした。

10月16日(金)12時40分ごろ、北海道から東海までの広い範囲に、最大震度7を予想する緊急地震速報(警報)が出され、約8分後に取り消されました。気象庁は、地震の規模を「マグニチュード9.9」と大きく見積もりすぎたことが原因と説明し、おわびしています。何が起きたのか、今わかっていることをまとめました。この記事は2026年10月16日夕方時点の情報です。

ざっくり言うと

  • 12時40分ごろ、千島列島付近を震源とするM9.9・最大震度7の緊急地震速報(警報)が、北海道・東北・関東甲信・北陸・東海・伊豆諸島に出た。
  • 実際に起きたのは、カムチャツカ半島付近のM6.9の地震。国内の最大震度は1だった。
  • 12時48分ごろに取り消し。気象庁が警報を取り消したのは今回が初めて。
  • 気象庁は「マグニチュードを9.9と過大に推定したため」と説明。サイバー攻撃は否定。遠く離れた観測点のデータを外す機能が働かなかったことが判明し、16日夜に応急の対策をした(10/17追記)。

何があった?(時系列)

  • 12時38分ごろ:カムチャツカ半島付近でM6.9の地震(気象庁の発表)。
  • 12時40分ごろ:緊急地震速報(警報)。震源は千島列島付近、M9.9、最大震度7と推定。北海道、東北、関東甲信、北陸、東海、伊豆諸島が対象に。
  • 12時48分ごろ:緊急地震速報を取り消し。スマホでは、取り消しのお知らせでも警報音が鳴った。
  • 14時:気象庁が記者会見。おわびと原因の説明。

推定した震源と、実際の震源は400〜500kmほど離れていたと報じられています。国内で観測された揺れは、北海道函館市の震度1が最大でした。

原因は?

【10月17日追記】その後の説明で、原因がかなり見えてきました。気象庁が16日夕方(17時30分ごろ)と夜(22時40分ごろ)に出した説明のポイントはこの3つです。

  • 国内向けの計算式を使ってしまった:日本からとても遠い地震なのに、国内の地震向けのMの計算式があてはめられた。
  • 震源のデータが食いちがっていた:Mの計算と震度の予測で、別々の震源のデータを使っていた。
  • 「遠すぎる観測点は使わない」機能が動かなかった:震源から700km以上離れた観測点をMの計算から外す機能が、今回は正しく働かなかった。2020年7月の誤報のあとに入れた対策だった。

つまり、「前に誤報が出たときに入れたブレーキが、今回は効かなかった」ということ。気象庁は16日21時30分ごろに、この機能がきちんと働くようにする応急のプログラムを入れ、同じような地震で過大な警報が出ないことを確かめたと説明し、あらためておわびしました。なぜ機能が動かなかったのかは、引き続き調べるとしています。

取り消しのお知らせでも大きな警報音が鳴った件については、「約20年前の制度導入初期の仕様に基づいて動作している」として、必要に応じて検討はすべきだが、今の時点で実施するかは言えない、と答えています(ITmedia Mobileによる)。

【以下、10月16日夕方時点の内容】

気象庁は会見で、原因は地震の規模を「マグニチュード9.9」と過大に推定したことだと説明しました。なぜ過大になったのかは調査中で、機械の故障ではなく、データを処理する過程に原因がある可能性がある、としています。

取り消しまで8分ほどかかったのは、予測した揺れが届くはずの時刻と、実際の観測を照らし合わせて、推定が明らかに大きすぎると確かめていたためと説明しています。

サイバー攻撃ではない

Xでは「ハッキングでは?」「攻撃されたのでは?」と心配する声も上がりましたが、気象庁はサイバー攻撃を否定しています。今のところ、外部からの攻撃をうかがわせる情報はありません。

また、X上では根拠のない陰謀論めいた投稿も見られますが、実際に起きたのはカムチャツカ半島付近の自然の地震で、気象庁がその規模を大きく見積もりすぎた、というのが現時点での説明です。不安をあおる投稿は、むやみに広めないようにしましょう。

影響

  • 東海道新幹線:新横浜〜豊橋間で12時40分ごろから運転を見合わせ、12時55分に再開した。
  • スマホ:広い範囲でいっせいに鳴った。警報、続報、取り消しと、短い時間に何度も鳴った人も。鳴った人と鳴らなかった人がいる理由について、気象庁は「お答えできかねます」としている。
  • テレビ:各局が番組を中断して地震の情報を伝えた。

過去にもあった誤報

  • 2013年8月8日:奈良県や大阪府に「震度6弱から7程度」の警報。実際は和歌山県北部の小さな地震(M2.3)。海底の地震計の中継局の障害が原因だった。
  • 2016年8月1日:東京湾付近で「M9、最大震度7」の予報(一般向けの警報ではない)。観測点の電源の故障が原因だった。
  • 2020年7月30日:千葉県南方沖を震源とする警報。震源の位置の誤りと、規模の過大な推定が原因だった。

それでも、一度出した「警報」を取り消したのは、今回が初めてです。

鳴ったら、どうすればいい?

今回は誤報でしたが、緊急地震速報は、強い揺れの前に身を守るための大切な仕組みです。「どうせ誤報」と思わず、鳴ったらまず頭を守り、落ちてくるもの・倒れてくるもの・動いてくるものから離れましょう。今回のような取り消しがあっても、身を守る行動をとったことは無駄ではありません。

Xの反応

  • 「M9.9」「震度7」の表示に、本気で身構えたという声。
  • 取り消しでも同じ警報音が鳴るのはやめてほしい、という声。気象庁は今後の検討事項としている。
  • ハッキングを疑う声と、それを否定する気象庁の会見への反応。
  • 「オオカミ少年」にならないか、と心配する声も。

まとめ

  • 10月16日12時40分ごろ、北海道から東海までに最大震度7の緊急地震速報(警報)が出て、約8分後に取り消された。警報の取り消しは初めて。
  • 実際はカムチャツカ半島付近のM6.9で、国内の最大震度は1。気象庁はM9.9と過大に推定したと説明し、おわびした。
  • サイバー攻撃は否定。16日夜、遠く離れた観測点のデータを外す機能(2020年の誤報後に導入)が働かなかったと判明し、応急の対策をした。くわしい理由は引き続き調査中。

出典

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