「麻辣湯(マーラータン)」はなぜ流行った?行列ができるまでの経緯と魅力

麻辣湯はなぜ流行った? バズ全般

お昼どき、駅前に女性の行列。先頭にあるのは、真っ赤なスープの店。

タピオカでも、パンケーキでもありません。麻辣湯(マーラータン)です。

この記事では、麻辣湯がなぜここまで流行ったのか、経緯と魅力をまとめます。

ひとことで言うと

「具も辛さも自分で選べる、薬膳っぽい春雨スープ」が、SNSと若い女性の口コミで一気に広まった。

2024年の後半から火がつき、2025年に本格的なブームに。2026年に入っても、専門店のオープンが続いています。

麻辣湯ってどんな料理?

中国・四川省のあたりで生まれたとされる、辛いスープ料理です。「麻(マー)」は花椒(ホアジャオ)のしびれ、「辣(ラー)」は唐辛子の辛さのこと。

もとは、川で船を引く仕事をしていた人たちが、寒さと湿気の中で体を温めるために、薬草や花椒、生姜を煮込んで食べていたのが始まりとされています。

日本の専門店では、だいたいこんな流れで注文します。

  • 野菜、肉、きのこ、団子などの具材を、ずらっと並んだ棚から自分で取る
  • 麺(春雨が定番。店によってはインスタント麺なども)を選ぶ
  • スープの辛さやしびれの強さを選ぶ
  • 重さで値段が決まる店も多い

つまり、自分だけの一杯を組み立てる料理。スープ版のビュッフェです。

流行るまでの流れ

  • 2003年:のちに「七宝麻辣湯」をつくる石神秀幸さんが、旅先のシンガポールで麻辣湯に出会う
  • 2007年1月:日本初の麻辣湯専門店とされる「七宝麻辣湯」が東京・渋谷にオープン。最初の5年ほどは客が少なく、支えたのは20〜30代の女性の口コミだった
  • 2018年:中国の大手チェーン「楊國福麻辣湯」が池袋に日本1号店を出す
  • 2021年:七宝麻辣湯がフランチャイズ展開を始める
  • 2024年後半:TikTokなどで若い女性の食レポ動画が目立ちはじめ、ブームに火がつく
  • 2025年:ブームが本格化。開業した専門店は1年間で225店。コンビニにも麻辣湯の商品が並ぶ
  • 2026年1〜6月:専門店の開業は半年で273店と、前の年の1年分を上回る。東京・大阪以外が6割に

20年近く前からあった料理が、ここ2年で急にど真ん中へ。下積みが長いタイプのスターです。

なぜ流行った?魅力は4つ

① 具も辛さも、ぜんぶ自分で決められる

いちばん大きいのは、このカスタマイズ感。野菜を山盛りにしてもいいし、肉を多めにしてもいい。辛さも、ひかえめから激辛まで。同じ店に行っても、毎回ちがう一杯になります。

七宝麻辣湯では、選べる具材は50〜90種類ほど。選ぶ時間そのものが、ちょっとしたイベントです。

② 体によさそうな「薬膳っぽさ」

スパイスや薬膳の香りがしっかりしていて、野菜もたっぷり取れる。麺は春雨。「ラーメンを食べるより、なんとなく罪悪感が少ない」と感じる人が多いようです。具材の選び方で、たんぱく質や食物繊維、カロリーを調整できるのも、健康を気にする人に合いました。

もちろん、健康にいいかどうかは選ぶ具材と量しだい。春雨も、食べすぎれば普通に食べすぎです。

③ SNS映えと「食レポ」のしやすさ

真っ赤なスープに、色とりどりの具。写真や動画にすると、とにかく映えます。何を選んだかで個性が出るので、「今日の私の麻辣湯」を投稿したくなる。TikTokでは、若い女性の食レポ動画が数多く投稿されました。

七宝麻辣湯の石神さんは、韓国で先に起きていた麻辣湯ブームが、SNSを通じて日本に伝わったことも背景にあると話しています。

④ 女性がひとりでも入りやすい

お客さんは、10代後半〜20代の女性が中心とされています。ひとりで来て、自分のペースで具を選び、さっと食べて帰れる。「女性界隈のラーメン二郎」と呼ばれることもあるそうです。

そのイメージが強すぎて、こんな投稿まで話題に。

ブームはネタの世界にも広がりました。2026年10月には、麻辣湯が登場する謎の構文もバズっています。気になる人は「シーシャバーに行ってる自分が麻辣湯なだけだろ」の記事もどうぞ。

いまはどうなってる?

2026年も、専門店のオープンは続いています。大手チェーンだけでなく、ほかの飲食店が新しい業態として麻辣湯を始める動きもあり、東京・大阪以外の地域にも広がっています。

一方で、店が増えて競争もはげしくなっています。料理への虫の混入などが報じられた店もあり、注目が集まるぶん、店選びの目も厳しくなっています。

タピオカのように一気に引くのか、ラーメンのように定番として残るのか。調査会社は「話題のグルメから身近な店になりつつある」と見ていますが、この先どうなるかは、まだ分かりません。(2026年10月13日時点)

まとめ

  • 麻辣湯は、具も辛さも自分で選べる、中国・四川生まれの辛いスープ料理
  • 日本では2007年に専門店が登場し、長い下積みのあと、2024年後半からSNSで大ブームに
  • カスタマイズ、薬膳っぽさ、映え、ひとりで入りやすいことが人気の理由

出典

最終更新日:2026年10月13日

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